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11月23日
7時40分のバスに乗るために6時50分に宿を出た。穴水から七尾までの海岸沿いの風景を眺めるために、輪島-金沢直行のバスではなく、バスと電車を乗り継いでいくことにした。宿を出ると目の前が日本海。思ったよりも寒くない。朝焼けのピンク色の空の下、海岸沿いを歩いていく。沖に浮かんでいる大きな船にはすでに太陽の光が当たっているのだけど、ここはまだ山の影の中で、すべての色がはっきりせずにくすんでいる。海岸から少し離れ、海に小さく突き出た岬をのぼってくだる。くだりでようやく太陽の光が目に飛び込んできた。輪島の中心まであと少し。学校や神社の脇を通り過ぎて橋を渡ると朝市の通りに出る。すでにおばさんたちが準備のために集まって来ていた。朝市の通りを避けて輪島駅を目指す。駅といってももう電車は通っていない。何年前に廃線になったのかは忘れてしまった。7時30分に到着。駅前の何かのお店のドアの向こうで猫が日向ぼっこをしている。ガラスの向こうの猫は、太陽がまぶしくて目を細めているのか、それとも、眠くて目を細めているのか、あるいは、あったかくて気持ちがよくて目を細めているのか、わからない。輪島ではよく猫を見かけた。トイレに行って戻るとバスが到着していた。定時出発。窓の外に