富山の高岡だ。アーケードがなくなっていることには驚いたけどなんとか見つけることができた。ここから海の方へ行くと伏木という町がある。今はもうなくなってしまったらしい富山駅前のシネマ食堂街と伏木の町が富山の中では一番印象に残っている。伏木を歩いているとロシア語が目に入る。看板や足元の道にもロシア語が書かれている。夏には上半身裸になって日焼けして真っ赤になった肌を見せながら自転車に乗ったロシア人が普通に町中を走っていて、こいつらが鬼（赤鬼）の起源なのではないかと思ったりもする。港に行くとロシアから来た大きな船が横付けされていて、大量の自転車や車を積み込んでいた。国境の町だと思った。日本は島国で国境なんてないと思っていたから興奮した。さらにアラビア文字だろうか、そういう看板も目について、それはだいたい中古車を販売している店だった。国道8号線沿いにも同じような中古車の店があって、いったい何がどうなっているのかわからなかった。だから店に入ってみた。肌の黒い、やっぱり中東のどこかの国の人なのだろうか、おばさんが店番をしていた。話しかけてもあまり日本語がわからないらしく、ほとんど話ができなかった。だから、日本人相手に商売をしているのではない、という憶測を得ただけで、
