Shin Yamagata

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1月24日
都内の大きな公園の水辺にずらっとカメラが並んでいた。どのカメラにも巨大な望遠レンズがついていて、レンズの表面はほぼどれも迷彩柄になっている。三脚の横でおっさんたちがキャンプなどで使う椅子に腰を下ろして雑談している。水辺を真剣に見ている人なんて誰もいない。カワセミでも狙っているのだろうか、気になるからおっさんに声を掛けた。声を掛けたのだけど、ほんとに嫌なおっさんたちで、こんなおっさんに声を掛けるんじゃなかったと心底後悔した。何を撮ろうとしているのかをあまり言いたがらないその態度にイライラする。何を隠すことがあるのか。最終的に「猛禽」と言った。なんやねん、猛禽って、トンビを撮ってるわけないやろ、何を隠してんねん、具体的な名前を言え、ボケ、と言いたいところだけど、へえー、とだけ言った。公園にずらっとカメラ並べて堂々と椅子に座りやがって、何様のつもりやねん、という気分になる。今その「猛禽」が水辺に来ておっさんたちがカメラを向けたら、カメラの前に出て見えないようにしてやろうと思った。もしくは、つまずいた振りをしてドミノ式に全部のカメラを倒してやってもいい。だいたい、アマチュアと呼ばれるカメラマンも写真家と呼ばれる奴らも何かを隠したがる奴が多すぎる、もちろん全員ではない。自分は特別だと思いたい肝っ玉の小さい奴らが特に何かを隠したがっていて、写真家の中には暗室での