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12月3日
曇っていたけれど洗濯をした。関東の南部は昼過ぎくらいから晴れはじめるとの予報だった。晴れなかった。晴れたのは夜だった。月が見えるような気がしたけど見えなかった。洗濯物は干しっぱなしだった。夜の道を歩いていた。畑は暗かった。黒しか見えないけれど、木のように茶色く太くなった幹にたくさんついているピーマンが赤く熟れて、そのいくつかは下に落ちているのを知っていた。たぬきを探しながら歩いた。膝が痛かった。歩いているうちに体が少しあたたまってきた。スーパーから漏れる光が歩道を明るく照らしていた。スーパーに入った。まぶしかった。何も買わずに出た。財布を持っていなかった。方向を北に変えて歩いた。正確には北北西くらいだった。人間の中には方位磁石のような人間がいて、北とか南とか、初めて行った場所でもすぐにわかるらしかった。わたしは地図を頭に浮かべて、こっちだからこう、と方角を