Shin Yamagata

お知らせ  zine  Twitter   Instagram


 


7月18日 
曇っているけど雨は降ってないし大丈夫だろうという空の明るさだった。原付で走りはじめて5分もしないうちに雨がぽつぽつと降りはじめた。空は暗くない。すぐにやむだろうとそのまま走り続けていると、空の明るさが変わらないまま雨だけがどんどん強くなってきた。空の明るさと雨の強さが合ってないなどと思っている間に長袖のシャツが腕に張り付いてきた。雨を吸い込んシャツが重くなってくる。あと15分も走れば家だ。今更端に停めて合羽を着る気もない。カッパの内側が濡れるだけだ。だからといって焦ってスピードを出すと転ぶ可能性がある。後輪はつるつるで、交換しなければいけないと思いながら1ヶ月が過ぎていた。タクシーのうしろは絶対に走らない、タクシーは客を見つけてうしろを見ないまま急にとまったりする、それでブレーキを踏んでスリップして転ぶのはこちらだ、マンホールも踏んで走らない、見通しの悪いトラックのうしろも走らない、スピードは絶対に出さない、だから無理に追い越さない、やらないことがどんどん増えていく、ヘルメットのシールドに雨粒が