Shin Yamagata

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8月26日
到着してカメラを準備していると、近づいてきた一匹のスズメバチが体の周りをしばらくふわふわとまわった。動いてはいけない、と言われているけど、いつも逃げ出したくなってしまう。コンクリートの細い坂道を上って数枚撮影してから、舗装されていない、人が一人通れる細い坂道へ入っていく。道は平らで歩きやすい。傾斜がゆるんで、三脚を立てようと思ったところに、またスズメバチが近づいてきた。黄色と黒のシマシマ、さっきのより少し大きい。動きを止めて目だけでスズメバチを追う。お腹から10センチくらいのところをしばらくホバリングするように飛んでから離れていった、と思ったら、また別のスズメバチが近づいてきた。低いところを飛ぶスズメバチを目で追っていると、二メートルほど先の地面に青い柿の実がいくつか転がっているのが見えた。そこにまた別のスズメバチがいた。よく見れば、道に転がっているどの柿の実にもスズメバチがたかっていて、全部で十匹以上はいそうだった。体の周りにスズメバチが飛んでいないことを確認してからゆっくりと後ずさりはじめる。すぐ横にも青い柿が落ちているけど、そこにはスズメバチはいなかった。まだほとんど撮影していないのに、