Shin Yamagata

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カレー




そこでは「新東京名物もんじゃまん」というのが売られていた。肉まんの中身がもんじゃ焼きというものらしい。250円もするからこんなの誰も買わないだろうと思っていたら、そこに来ていた観光客とかが頻繁にそのもんじゃまんを買っていた。観光客は外人が多くて、特に中国人が多いような気がした。おいしいのかおいしくないのかそういった表情を一切見せずにそのもんじゃまんを中国人は食べる。一口食べて中身が出てきてもその中身をよく見たりもせず普通にそのまま食べ続ける。白人の男がカレーをトレーに乗せて歩いてきた。そして席に着き割り箸を割った。割った割り箸同士ををこすり合わせた。箸を使い慣れているのだろうか。でも日本人はカレーを箸で食べたりはしないと思った。器の中ではカレーのルーと白いご飯がちょうど半分ずつくらいきれいに分かれていたけど、その男はそこへ箸を突き刺し、グルグルと器の中で箸を掻き回し始めた。ルーとご飯がグチャグチャと混ざり始める。そこへもんじゃまんをもった白人の女が男の前に座り、そのもんじゃまんを男に手渡した。男は黙ってそれを受け取る。