■

4月23日
今日も暇で、だから、今日も曇っていた。体もなまってきたし、山に登ってみようと思った。奈良と大阪の間に横たわる、金剛山の隣の葛城山の隣にあるぽこぽことしたふたこぶの小さな山、二上山に登ろうと思った。朝早くに出発して一日かけて登るような山ではない。小学生の時の遠足で登ったことがあって、（二上山は石器時代に使われていたサヌカイトという石の産地で、表面は白いけど割れば黒いからすぐにわかるということを、ちょうど理科の時間に習ったばかりだったから、そのサヌカイトを見つけてやろうと思って、リュックに金槌を入れて遠足に向かった、ええもん持ってきたなー、と担任の先生がほめてくれたことをよく覚えている、あいつは金槌を持ってきているらしいぞ、という噂はすぐに広まって、石に興味のある奴らが白い石を持ってきては割ってくれと、山を登っている間、とにかく石を金槌で叩いて割りまくっていて、