Shin Yamagata

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1月30日




太陽に向かって歩いているから眩しい。太陽のほうから歩いてくる人のすれ違う人の顔は影になり普通の顔をしているが、わたしは目を細めて眩しそうな顔をしている。わたしには見えないがわたしの顔には太陽光線がビタッと張り付いている。ほぼ真正面から太陽の光を受けているので顔に浮き出る影も少ないはずだ。敬礼するように目の上に手をかざし、目に入る太陽光線をカットする。自転車に乗ったおまわりとすれ違うが決しておまわりに敬礼しているわけではないからおまわりも俺に敬礼するんじゃない。おまわりとは視線も合わないまますれ違う。おまわりの腰に刺さっている拳銃のケースがキラッと光る。緩いカーブに差し掛かると太陽は俺の左側へと少しずれた。そのことによって目の上に手をかざす必要はなくなったし、ほとんど影のなかった顔に影が出ることになった。