Shin Yamagata

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2月20日




数日ぶりに太陽の光を浴びて、洗濯するたびに穴が大きくなっていくパンツの寿命を考えながら洗濯物を干していた。足元に落ちているハンガーを見て昨日の夜も風が強く吹いていたことを思い出し、その風の音を聞きながら布団の中で、風が強く吹く日を意識するようになったのはいつ頃からなのか、子どもの頃の記憶の中に風が強く吹いていた日の記憶がほとんどないし、春一番という言葉が定着しているくらいだから毎年春には風の強い日が何日かあるはずなのに子どもの頃はそんなことを気にして過ごすようなことはなかったし、春一番をはじめて意識したのは中学生の頃だったのではないか、あれは中学を卒業する日だったのではないか、中学校の一階の廊下からはみ出た部分、あれは中庭というほどの広さはなかった、その土の上に立っている卒業の日をむかえているわたしに強い風が吹き付けていた。