Shin Yamagata

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5月17日




吉村朗の名前が出たのは某編集長の口からだった。吉村さんの写真がある雑誌によく掲載されていた頃、読者からの問い合わせが多数あったという話だった。「問い合わせ」とはいっても、評判がよくって色んな問い合わせがあったということではなく、ほとんどの問い合わせはその逆で、苦情だ(もちろんいい問い合わせもあったらしい)。「どうしてこんな写真を載せるんだ」、関西弁で言えば「なんでこんなしょーもない写真載せてんねん、われーしばくぞー」ってところか。苦情が多数来るなんて素敵だ。苦情というのは反響だ。なあんて言ってしまうと聞こえはいいけど、その内実は写真というのはきれいなもの、と簡単に言ってしまえばそのように思い込んでいる人たちからの苦情で、その「きれい」というのはもうすでに使い古されてみんなが知っている「きれい」で、その「きれい」さには安心させる(確認して納得する)何かはあるのかもしれないけれど、心を揺さぶられるものはなにもない。どうして某編集長とそういう話になったかというと、わたしの写真にも「問い合わせ」がたくさん来そうだなぁというはなしからだった。「問い合わせ」大歓迎。