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5月2日
ホームへと続く階段の先に扉の閉まる電車が見えた。発車する電車を見送りながらゆっくりと階段を下り、空いているベンチに腰を下ろしてカバンから本を取り出した。初心者向けの短歌の本だ。短歌をやりたいから読んでいるわけではなく、芸術の本として読もうとしている。誰かの短歌があり、著者がその短歌の改悪例を横に並べる。言葉の選び方、言葉が所属している場所の違い等を説明していく。「場所の違い」をざっくりといえば、「この世の多数」と「それ以外」といってもいいし、この世の多数を「社会」と呼べば、「社会」と「社会からはみ出ているもの」と言い換えることもできるかもしれない。そこで使われる言葉の違いを意識し、選んでいく、ということになる。これはそのまま写真にも当てはまる。そっくりそのままは当てはまらないけど、だいたいは当てはまる。