Shin Yamagata

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4月17日




本を読んでいたのに彼女の頭の中には本の内容とはまったく関係のないことが次々と浮かんでくる。そして本に集中するために一度本を閉じる必要があった。否応なく頭に浮かんでくるのはあの腹立たしい彼のことだった。どうしてあんな言い方しかできないのか、今朝だって…しかし未だにデジタルがどうしたとかフィルムがどうしたとか、そういうことを言う人ってのは結局何を求めているのかね?どうせ何か言うのなら…だいたいフィルムで撮られ印画紙に焼き付けられた白黒写真の濃淡について濃淡以上の、異常とも思える形容詞を連ね、その濃淡にあれこれが秘められているだの込められているだのと言いたがる人はすでに濃淡を見る能力が失われ、(暗室でその濃淡を出そうとするとき、写真家は言葉をまったく必要としていないし、あとから濃淡に加えられた形容詞に納得などしたことがない)ただあらゆることばを使用し形容することに溺れ、