Shin Yamagata

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7月24日




雨が静かに降っている。雨がしとしと降っている。雨は空から降っている。水たまりを見て普段気にすることのない道路の凹凸を確認し、水たまりを踏まないように歩いている。黄色い長靴を履いた小さな男の子はお腹の大きな母親の制止を無視して水たまりに足を踏み入れる。かつては自分も、などとセンチメンタルになったりはしない。彼はただほほえみながらその様子を眺めている。すずめの声が聞こえた。もしかすると雨は止むのかもしれない。しかし天気予報では降り続くという予報だった。彼は明日のことは想像できても三年後のことは想像できない。彼は昼ごはんを食べるために会社から少し離れた場所にある定食屋さんに向かっている。