Shin Yamagata

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1月18日




土にまみれただいこんを抱えているおじさんが上の畑から降りてきた。「うお、うお」とこっちを見て何か言っている。ここは明らかにこのおじさん家の敷地内だった。こんにちは、写真撮ってます、と言うとそれでよかった。おじさんはよくしゃべった。しかししゃべり方が独特で聞き取れるまで少し時間がかかった。山の上に出ればどこへでも行けた、というのは昔の話で、昔は川沿いじゃなくて山の上をみんな歩いていた。そこの山あるやろ、とおじさんが指をさす山を見る。その山越えて行ったら大塔の篠原って知ってるか?あそこにいけるんや、と教えてくれて、はっとした。篠原というところは行き止まりの集落でかなり奥深いところにあっておじさんと話しているところからだと車道で20キロ以上離れている。それが歩いて一つ山を越えれば篠原に到着し、距離は直線で3キロにも満たなかった。だからといって歩いて一時間で行けるわけがなかった。