Shin Yamagata

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1月21日




川へ降りると川にいた数羽の鳥がバタバタと山の茂みに突っ込んでいった。川の上流にはあと二つの集落しかないしその集落にも人がもうあまり住んでいないから水はきれいで澄んでいる。またネイチャーフォトグラファーに自動的になる。普通に撮るだけだときれいな写真はできない。様々のものを排除してやっときれいになる。たとえば水底に沈んで固まっている枯れ葉や枝とか川底の目立っている黒い石とか上から画面に割り込んでくる一本の太い木の枝とか。どんどん排除すれば撮影する場所というのはごくごく限られた場所になってしまう。その排除する課程である種の高揚感を覚える人もいるだろう。ここではない、ここでもない、こっちだとこうだからここしかない、と自身の置き場所を探る行為。そうやってできあがった写真は確かにきれいだ。しかしつまらない。そういう限られた一点を見つけ出すのがわたしの仕事ではない。わたしは別の一点を探る。しかしカメラはどこか一点に置かなければならないということでは前者も後者も変わらない。