Shin Yamagata

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8月18日
山奥にある集落と集落の間の川沿いを原付で走っていると、炭のにおいが漂ってきた。今日は日曜日だった。帰省というわけではなさそうな、都市からやってきた若い人たち、男と女、どちらかといえばヤンキーっぽい人たちが下の川で騒いでいる。バッシャーン、川に飛び込む音、もくもくと出る煙、キャッキャという奇声。アウトドア、と呼ばれるような行為からかけ離れたバカ騒ぎ、つまり、都市的BBQと言えばいいのか、やっぱり、ただのバカ騒ぎか、昼間から酒を飲んで騒いでいるこの光景が、今現在のニッポンの標準的な光景なのか。なんていう車かはわからない、アメリカの映画に出てきそうなどデカイ車が橋を渡って来た。荷台に乗っている7、8人の若い男と女が自撮りしながらキャッキャキャッキャと濡れた髪をなびかせ腕を振っている。そう言えば、ずっと前に働いていたところでもこんな都市的BBQを好む奴らがいた。普段は都市で暮らしている人間がレジャーか何か知らないけれど、休日になれば登山だ川遊びだといって田舎を荒らしに来ている、これらの風景に感じる違和感はそういうことではない。警察の目が届かないことをいいことに車の荷台に乗って映画のワンシーンのようにはしゃいでいる若者、そんなステレオタイプな光景に対する違和感でもない。この風景を眺めている自分がどこか遠くにいて、目の前の風景から取り残されているように感じているというわけでもなさそうで、だからといって、