Shin Yamagata

お知らせ  zine  Twitter   Instagram


 

10月23日




押入れの下半分を占拠しているやればやるほどたまっていくネガやプリントを整理して部屋の隅に重なっていきつつあるネガやプリントを片付けもう少し部屋を広くしたいと思いネガやプリントを移動させようとするのだけどその重さはただの紙の重さとは違い、などと書いてしまうとその「重さ」というところに何か「歴史」や「感情」を加味して、つまり深読みして、何歳から写真をはじめてあの頃はこうでそれからあーなってこんなことあんなことあったなーなどと勝手な想像を膨らまし余計な意味を付けたがる人がいるのだけどそういうことではなく、紙に銀が含まれているからなのかなんなのか、とにかく紙は実際に重たい。こういうとき、ネガを見て直接プリントをはじめてしまう人がうらやましくなるのだけど、わたしはベタ焼きを見ないと写真を見た気がしないし、そこからまず小さく伸ばしてそれからまた大きく伸ばして、という第一次選考、第二次選考というわけではないのだけれど、そのように段階を踏んで写真を選ぶということを繰り返してきたのだから今更ネガを見て写真を選ぶなんてことは不安で不安で、もしかしたら他の写真の方がよかったのではないかという思いに付き纏われ結局ベタ焼きを作る破目になるのは目に見えているのだから、フィルムで写真を続ける限り物量としての写真は部屋を占拠していくしかない。部屋の広さを確保したいのならフィルムで写真を撮ってはいけない。フィルムとデジタルの違いがどうしたこうしたとか言ってる人はほんとにとんちんかんなことをいつも言っていて何もわかっていない。フィルムとデジタルの違いで一番肝心なことは部屋の広さが変わるということだ。