Shin Yamagata

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10月11日

外に出ると白い。霧雨が降ってそうで降ってなさそうで、でも白いのだからよくよく見ればほんの少し降っている。これからさらに降り出すのかそれとも止んでしまうのか、まったく見当がつかないまま傘を持たずに歩き出す。前からくる自転車に乗っているおばさんは青い傘をさしている。自転車のタイヤが地面に散らばる金木犀の花を踏んでいく。踏んだからというわけではないが、香りはまだかすかに残っている。もう少し先の大きな家の庭にある、この辺りでは比較的大きな金木犀の花もきっと散りはじめている。地面はオレンジ色に染まっているかもしれない。でも今日はそこを通らない。