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12月26日

谷崎潤一郎の吉野葛は青空文庫にも入っていてところどころは読んでいたのだけど、古本屋で岩波文庫の吉野葛を見つけて、手に取ってページをめくってみると、青空文庫にはない写真がところどころに掲載されている。その写真は見慣れた吉野川沿いの風景で、おそらく戦前に撮影されたものなのだろうけど、山の形は変わることなく今と同じ形で写っているし、実家の町にある古い寿司屋の写真まで写っていて、でもそれは玄関先を写しただけで建物全体が写っているわけではないから、初めて見るような建物として写真に写っている。菜摘村という地名を記された写真もあって、でも今はもうそういう村はなくて、ないというか吉野町菜摘になっていて、だからそこなのだろうけど、写っている家は茅葺で、茅葺も今はもうほとんどなくて、あったとしてもトタンを被せられているのをたまに見る程度で、