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11月17日
総武線に乗った。混んではいないけど座れない。窓の外は暗いから外は見ない。新宿のホームに滑り込んでいく。隣のホームに山手線の電車がドアを開けてとまっている。こちらのドアが開いた瞬間に扉を閉めて発車してしまうパターンか、と思ったのだけど、ホームに降りてもまだ出ない。早足になって山手線に乗り込む。こちらも混んではいないけど座れない。つむじをずっとこちらに向けているポマードべったり頭の若い男がスマホではなく本を読んでいる。瞑想、という文字が読み取れる。若いのに仏教か何か勉強しているのだろうか、だけど、そっち方面に疎いから、瞑想が仏教に関わるものなのかどうかもわからない。人は見かけによらないとはこういうことなのかと、ビジネスマンが平日におしゃれしたらこんな姿になりました、的な男のつむじと本の文字を交互に眺める。高田馬場が近づき、男が本を閉じた。背表紙側に本を閉じたから本のタイトルはわからない。だけど、帯の大きな文字が一瞬見えた。ビジネス。仏教は関係なさそうだった。おそらく、自己啓発的なビジネス本なのだろう。今のビジネスマンは瞑想さえもビジネスに取り入れるのか。カーペンターズとかそういう音楽を聴いていたヒッピーかぶれのおっさんが