Shin Yamagata

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路上ネイチャー




糸崎さんの路上ネイチャー協会http://blog.goo.ne.jp/itozakikimio。このサイトをわたしはよく見ている。それはわたしが虫好きだからだった。この糸崎さんの虫を撮った写真に「緊張感」があるのかといえば、ほとんどない。たまに偶然が重なって緊張感のある写真もあるかもしれないけど、滅多にないような気がする。だからといってつまらない写真かといえばどうだろうか。ある部分ではやっぱりつまらない写真なのかもしれない。いや、糸崎さん、ごめんなさい。虫を見つけて(糸崎さんは虫を見つけるのが本当にうまいと思う。うまいっていうか、虫アンテナが異常に発達している人なんだなと思う。一緒に歩いていたりするとそれはよくわかる。すぐに虫を見つけてしまうのだった)、背景に人が通るのを待ってシャッターを押しているような写真は、何をやろうとしているのかはなんとなくわかる。それはたぶん、地球全体を見渡しても大きな都市の部類に入る東京というところ、つまり人がたくさん住んで人がつくったもので溢れているようなところ(自然ではない?)にも虫(自然?)はいるんです、とか、そういうことなのかもしれない。違うかもしれない。そこからそのような意味というか、メッセージを受け取ることも可能だと思う。そしてそれがおもしろいと思う人もいるに違いない。でもわたしは思わない。思わないでもない。思うかもしれない。思ったり思わなかったり。あるいは、人的なものと虫的なものを対比させて見せようとしているのかもしれない。人と虫というのは反自然と自然ということなのだろうか。生物の系統樹を大雑把に見ると二つに分かれることになる(http://www.keirinkan.com/kori/kori_biology/kori_biology_2/contents/bi-2/3-bu/3-1-3.htm)。その二つの一番端っこにいるのが人と昆虫だから比べるのだろうか。まさか、そんなこともあるのか。少しだけ話が逸れるけど、虫はおもしろいのだった。虫を嫌う人もいるけど、虫は不思議だった。水の中にもいるし、空を飛ぶのもいるし、土の中にもいるし、幼虫から蛹を経て成虫に変身するやつもいる。こんな人間はいない。当たり前だ。地球上のあらゆる環境の中に虫はいる。そんな虫は地球上で最も地球に適応してきた生き物なのかもしれなかった。いや、これは言い過ぎか、いや、そうでもないか、戻ろう。戻ります。
つづく