Shin Yamagata

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7月28日
台風が西側へ向かっていった。まだ体がだるい。夜になって風や雨が落ち着いたので、どうかとは思ったけど気になるから向かってみると、少ないながらも蝉の幼虫が這い出てきていた。木の葉や枝がたくさん落ちていて、落ち葉が幼虫に見えてしかたがない。幼虫よりも羽をばたつかせて地面に転がっている成虫の蝉の方が多い気がする。これは台風のせいなのだろうか。途中、懐中電灯で地面を照らしている人がいた。照らしている場所と懐中電灯の異様な明るさで、普通の人ではないということがわかる。近づくと、切られた木を積み重ねた場所に懐中電灯の白い光を当てているのがわかった。「何がいるんですか?」と声をかける。「まだ出てきてないですね」と返ってくる。上下に白い雨合羽を着込んだ40代後半くらいの男だ。いったい何が出てくるのか、さらに質問を重ねる。