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11月3日
電車で隣に座った25歳前後の女がすぐに寝た。ごつんと音を出して、うしろの窓ガラスに頭をぶつけたまま口を開いて寝ている。足首まである柔らかい生地のスカートの中の足もどんどん開いて、膝がこちらに迫ってくる。股の間のスカートの生地がトランポリンができるくらいにピンと張っている。電車がブレーキを踏むと向こうへ倒れていった。ということは出発したらこっちに倒れてくるかもしれない。電車が停車すると女は目を開けて姿勢を整えた。向かいのガラスにまた口を開けて寝はじめる女の顔が映っている。電車がゆっくりと動き出す。こっちに倒れてきた。スカートはもうずっとトランポリンだ。