Shin Yamagata

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8月13日
太陽は出ていて青空もあるにはあるけどベタッとした鱗雲に似た雲が広がっている。嫌な雲だ。こういう雲は前に何度も遭遇していて、とにかく動きが鈍い。隣の隣の村くらいまで広がっていそうな気がするけど、意外に大丈夫かもしれないと思って出発。隣の村へ入ったところでちょうど雲全体の真ん中あたりまできた。微妙だなと思いながらさらに隣の村へ目指すとやっぱりまだ雲がかかっている。道路の端に停まって山の稜線にかかる雲をじっとみる。ほとんど動かないし、動いている方向はますます雲がかかる方向だ。もっと南に下るしかない。雲から逃げるしかない。こんなことなら別の道から行けばよかった、30分以上のロスになる。その村を諦め、川沿いを下っていく。その村を抜けるあたりでようやく晴れはじめる。でもこのあたりはもう撮影してしまった場所だからもっと南へくだらなければならない。標高にすると500メートルはくだらなければならない。ようやく撮影できるところまできたけど、また別の雲が出はじめている。急がないといけない。撮影していると遠くから雷鳴が聞こえてくる。周りを山にとりかこまれていて雲が見えない。音の様子からまだまだ遠いところだと思って撮影を急ぐ。急いだ気持ちで撮影してもよくないとは思うのだけど、雷鳴が聞こえてくるとどうしても焦ってしまう。移動しはじめると雲が見えた。南と東の空が怪しい。これ以上は南へはいけないと思い、戻りはじめる。途中どこかへ寄ろうと思うのだけど、進む先々の山の向こうに雨雲が見える。気付けばすぐ真横の空が真っ暗になっている。やばいやばいやばい、空をちらちら見ながら戻っていく