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3月20日
武蔵野線から富士山が見えた。頭の中にすでにインプットされている山頂だけが白い富士山ではなく、全部が真っ白な富士山だった。だから目に入った瞬間、ぎょっとした。そして、雪の冷たさや冬の寒さを感じてしまった。だけど、窓のすぐ外では桜が咲きはじめていて、その二つの季節が混在するような違和感にまたぎょっとした。その感覚はすぐに失われた。ビルで隠れたりまた見えたりする白い富士山をしばらく眺めた。富士山の白さに一瞬感じた雪の冷たさや冬の寒さはもう感じなかった。白は単なる白という色でしかなかった。富士山まで何キロあるのかはわからない、100キロくらいは離れているのだろうか、そんなに離れた場所にあるものがはっきりと見えて、そして季節を逆戻りするような感覚を引き起こして、