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9月7日
久しぶりにあずさに乗った。満員だ。三週間前に、富士山が見えるはずの窓際を確保していたわたしは缶コーヒーだけを買って車内に乗り込んだ。晴れていた。隣の通路側の席には、これから山を登ります、という格好の、同年代か少し若いくらいの女の人が座っていた。都内を過ぎ、だんだん山の中へ電車が入り込んでいく。隣の女の人はバナナを一本食べた後にカステラを食べ始めた。山の向こうに富士山が黒く見えた。缶コーヒーを飲まないまま乗り換え駅に到着した。ここから目的地までは普通電車であと30分くらいだった。乗り換えた電車は観光客と登山客でごった返していて、都内の電車の混み具合と何も変わらなかった。窓の外にはすばらしい風景が広がっているというのに、座れないうえに、つい数分前まで快適な車内ですごしていた体