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10月8日
コンビニの前に置かれたベンチに座っていると犬を連れたおばさんが話しかけてきた。昼間っからこんなところで酒を飲んで何をしているのかと聞いてくるから、今は仕事の合間で休憩しているのだと答えた。嘘をついた。そうするとおばさんは自分の仕事のことを話しはじめた。おばさんの話は要領を得なくて何の仕事なのかさっぱりわからない。一人でやっているのか組織に属しているのかもわからない。そのうちにわたしはどうして仕事をしているのだろうかと問いかけてきた。そんなことを知るわけがなかった。お金を稼ぐためじゃないんですか、と喉まで出てきたけど、それは言わなかった。仕事に理由を求めていること自体に興味がないし、仕事の内容にも興味がないのに、これ以上そんな話に付き合っていられないと思ったのだけど、いちいち何か気に触るようなことを言ってきて、ついそのことに口を挟んでしまってだらだらと話が続いていた。犬はもさもさの太った柴犬で、おとなしくおばさんの足元でちょこんと座っていて、もう若くはないというのが、毛の中に