Shin Yamagata

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時々、鼻の頭に雨が当たるような感覚があったけど、本当に雨が当たっているのか当たっていないのかよくわからないような空模様がその日の午前中だった。午後に近づくにつれて空は暗くなっていき、午後にはおでこに雨が当たったような気がしたと思ったらメガネに水滴がついたのでいよいよ降ってきたのかと遠くを見てみれば、自分とその遠くの間の空間に確かに雨らしいものが見えはじめていた。いよいよ今日も終わりかと、どこへ続くかわからなくなっていた道を引き返そうか進んでいこうかと考え始めたその時に、右斜め前の家の庭から激しく鳴く犬の声が聞こえてきていた。