Shin Yamagata

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5月29日




雨の中を自転車で傘をさして走っているとズボンの右のポケットに入っていた携帯電話が地面に落ちた。ブレーキをかけて止まり振り返ると二つ折りの携帯電話が開いた状態で地面に転がり車に轢かれそうになっていた。少し慌てた。わたしは歩道ではなく車道を走っていて、その道路は片側一車線の狭い道なのに車の往来はひっきりなしだった。止まっているわたしを避けるために車は中央線をはみ出して膨らんで通過して行く。そのおかげで車道に転がっている携帯電話は車に踏まれずに済んでいる。もう少し先の方で止まっていたら携帯電話はぺしゃんこになっていたかもしれなかった、などと思ったのは水浸しになった携帯電話を拾い上げてからだった。