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6月17日
坂の下からおじさんが歩いてきた。髪の毛がぼさぼさに伸びていて、ロマンスグレーというよりはまばらに白くなっていて、これはコロナのせいではないだろうけど、どちらかといえば痩せていて、その痩せた体の上によれよれの大きなシャツを着ているから全体的に貧相に見えるのだけど、とてもうれしそうな顔をして歩いていた。何かを両手で大事そうに持っていると思ったそれはビールの缶で、おじさんは酔っ払っているのかもしれなかった。坂を上った先に野球場があるのだけど、今日は誰もいなかった。おじさんはにこにことどこに向かおうとしてるのか、坂の下にはゲートボール場があるのだけど、ここにも誰もいなかった。「こんにちは！」へ？ と顔を上げたおじさんの顔はやっぱりにこにこと笑っている。酒臭い息を