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7月10日
最終の一つ前の電車に乗ることができた。コロナ禍だということだけれど、座席が埋まっていて座ることができない。ドアの横に立った。若い人たちが多くて、スーツを着たサラリーマンやおっさんやおばはんは少ない。おっさんはわたしだと気づいた。マスクをした若い女二人がずっと喋っている。一人はマスクのせいなのか、目が離れていることがばかりが強調された顔になっていて、もう一人はこれといった特徴のない顔をしている。喋っている二人以外は、スマホをいじったり寝たりただ前をぼんやりと眺めたりしている人ばかりだ。本を読んでいる人が一人いた。二十代の女で髪がほぼ金色で肩までのボブでうつむいているから顔はよく見えない。アベノマスクはどこにも見当たらない。わたしの家にもまだ封に入ったまま捨てられずにホコリをかぶった安倍マスクが置いてある。暑いからか息苦しいからかマスクから鼻を出している人もちらほらといて、