Shin Yamagata

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2月20日
予約していたMRIの撮影の日だった。先週の診察後にどんどん肩の痛みが取れてしまい、もう撮影の必要はないのではないかと思ったのだけど、痛くなくなったからいいってもんじゃないんだよ、他の病気が潜んでる可能性もあるんだから、と言われ、すぐさま撮影に移行した。ベッドに横になりながら、あんなことを言ってたけど手っ取り早く金を稼ぎたいだけの医者なんじゃないかと思いたくなったのだけど、ゴム紐のようなもので体を巻かれてる間に体の方に神経がいってしまって、そのことについてはもう考えなくなってしまった。動くとブレますからね、と係の人が言った。ブレるということはシャッタースピードがあるということなのだろうか、と今度は考え出すのだけど、タオルなどでさらに肩を固定され、拘束具でベッドに縛り付けられてこれから拷問を受けるような、そんなわけはないのだけどなんとなく嫌な気持ちになって、またシャッタースピードのことも忘れてしまった。そういえば、閉所恐怖症の人は、と説明書きがあったことを思い出したのだけど、もし何かあればこれを押してくださいね、と紐につながったボタンのようなものを渡されて、これはテレビで見たことがある、怪我をした主人公でではない人が看護師に「何かあればこれを押してください」と言われるのだけど、押す前に誰かに襲われて、みたいな、などと考えている間に、係の人が部屋から出ていった。ベッドが動いたのか頭上の機械が動いたのか、呼吸による体の上下で写真はブレたりしないんだろうかと思って